退行

昨日はもう一通メールが届いていて、それに気が付いたのは私が就寝する直前だった。ふと携帯電話をみると着信があるので開けてみると、母からこんなメールが届いていた。

 

「ごめん、もう遅いから寝るわ!」

 

時間帯を見るとPCに送られてきたメールとほぼ同時間になっている。どちらも私には混乱した内容に思えて、暗い気持ちのまま布団に入った。眠れないかもしれないと思ったけれど、連日のストレスのせいかすぐに眠りに落ちた。もう何も考えたくない。

 

翌日、母に「メールが2通届いてたけど、あれはどういう意味なの?」とおそるおそる電話で聞いてみると、母が言うには「PCに送った方のメールは写真を添付しようとしたけれど失敗した」と思い込み(実際はちゃんと添付できていた)それで私の携帯の方に「(写真を送ったけど失敗して)ごめん!もう遅いから明日ね!」というメールを送ったのだという。本人のなかではそれで十分納得できる説明なのかもしれないが、私にはどう考えても意味不明だと思った。

 

この説明の感じがなんとなく「子どもの言い訳みたいだな」と思う。話し方も時折「おなかすいたあ~」とか、子どもみたいな口の利き方をする。

 

子どもだから、話も自分の言いたいことだけを延々としゃべり続ける。今日は側に父がいるのか1時間ほどで解放してくれた。3日前から毎日言い続けている「ピアスのキャッチだけ買うといてほしいんやけど」はやっぱり繰り返されたけど。

 

母の症状を色々と調べてみたところ「前頭側頭型認知症」にあてはまる所が多い。物忘れは多いけれど、今のところ日常に支障が出るほどではない。私の年齢もちゃんと言えるし、買い物も一人で行けている。

 

だけど私も父も母のことを「人が変わったみたい」だと思っているし、とにかく極端に子供っぽくなってしまっている。「欲しい」と思ったらすぐ買ってしまう(幸い、今のところ少額の散財で済んでいる)という行動に集約されるような「ガマンする、抑制する」というのが難しくなっているようだ。