ことの顛末(3)

翌日、起床して携帯を見ると父からのメールが3通届いていた。最初の1通は深夜に。その後の2通は早朝になっている。

 

内容は「母が急変した」「今から病院へ行きます」「とりあえずこちらに来てほしい」というもの。間の悪い事に、私は体調が最悪だった。睡眠不足と風邪(4月頃になると毎年ひどい風邪をひく)ですぐには動けそうにない。

 

とりあえず父に今どういう状況なのか聞いておきたかったので、ひとまず電話をかけてみる。やっと父に電話がつながると、どうやら母は昨晩、警察沙汰になるような事件を起こしたようだった。

 

まず最初に、母がまた妄想で「Sさん(ご近所に住む母の友人。パーキンソン病から認知症を患っている)が自宅で死んでる!」と勝手に警察を呼んだそうだ。母はSさんがあちこちで借金をしているので、それが返せないことを気に病んで自殺しているのではないかと思ったらしい。

 

それで父が警察の人に平謝りして、一旦落ち着かせたのでもう大丈夫・・・と思っていたら、数時間後に母が自宅の2階の窓から食器を投げ始めたそうだ。当然、近所の人が驚いて警察に通報した。幸い怪我人が出なかったのでよかったけれど、もし投げた食器が当たっていたら・・・・と思うとゾッとする。

 

それで父が病院の方に連絡して事の次第を説明すると「即入院させましょう」という事になり、手続きを済ませて母を入院させてきたとの事だった。

 

私を呼んだのは、その入院に関する手続きがやたらと煩雑で、父が自分一人でこなせるかどうか不安だったので「とりあえず来て」とメールしたらしい。だけど病院の職員の人に聞きながらとりあえず手続きの方は完了したので、そんなに急いで来てくれなくてもいいよとのこと。

 

幸い、父は日常の家事くらいなら一人でこなせるので、当面は大丈夫だろう。ただ母が暴れた後の家の周辺の片付けや、父一人でしばらく生活するためのベース作りが必要そうなので、近いうちに実家に帰ることになると思う。

 

母の行動はまるで「アドレナリン・ジャンキー」のようだと思う。とにかく興奮したくて警察を呼び、窓から食器を投げ、家族に悪態をつきまくる。躁うつ病は「脳の機能障害」が原因と言われているけれど、私には母の元来の性格が原因のように思える。

 

母は昔から人を信用しない。その割に依存心が強く、家族にはやたらともたれかかってくる。こちら(家族)の気持ちなどお構いなしに。これは躁うつ病以前に「人格障害」なのではないだろうか。

 

他人の気持ちはくみ取りたがらないのに、自分の気持ちはくみ取って欲しいなんて、そんな甘えが許されるのはせいぜい小学生くらいまでだろう。いい年をした女性がやっていい事ではない。

 

この事をもし母に伝えたとしたら「なんでそんな事を、こんなにも『かわいそうな私』に言うのよ!」とキレるだろう。母は絶対に「被害者である私」というポジションを譲る気はない。それはもう目に見えている。