ことの顛末(3)

翌日、起床して携帯を見ると父からのメールが3通届いていた。最初の1通は深夜に。その後の2通は早朝になっている。 内容は「母が急変した」「今から病院へ行きます」「とりあえずこちらに来てほしい」というもの。間の悪い事に、私は体調が最悪だった。睡眠…

ことの顛末(2)

私はとりあえず、これまでの経緯をまとめたレポートのようなものを書き、それをカウンセリングの際に見てもらうようにと父に託した。躁うつ病患者の家族がいる方のブログを参考にして、そういうものがあるとカウンセリングしやすいという意見があったのでそ…

ことの顛末(1)

母の病気がどうやら躁うつ病らしいと気付いてから(といっても、あまり「うつ」の方は思い当たらないのだけれど)私はなるべく母からの電話やメールを無視するようにした。どんな反応をしようが興奮させるだけなのだから、相手をしても意味がない。 ある日、…

母の中の悪魔

私はしばらく母とは距離を置くと決め、父に躁病の簡単な説明と「なるべく刺激しないように離れて」というアドバイスをメールで送った。幸い、父はすでに家庭内別居のような生活をしているらしく「なるべく顔も合わせないようにしているので安心してください…

感情を喰う病

躁病の治療には「カウンセリング」というものはなく「投薬」でしか症状は改善されない・・・・という事を知り、私が「せめて母の支離滅裂な話を聞いてあげることでストレスが減り症状が緩和されるかも」と思っていたことが全くの無駄足だったことがわかった…

木の芽時

あれから長い間、母の言動は少し内容が幼稚であることを除けば安定していたように思う。だけど年が明け暖かくなるにつれて、母もまたおかしくなっていった。 おかしくなりはじめた最初の頃は「もしかして『木の芽時』というやつではないのかしら?」と思うよ…

半年ほどの経過記録 後編

Tさんは7~8年前から母と仲良くしてくれている友人の一人。スパで話をしたのがきっかけで、一緒に旅行したり家に招いてくれたりする寛大な女性だ。(というのも、あの攻撃的な性格の母を受け入れてくれている時点でそう思える)ご自身も持病があるので、母の…

半年ほどの経過記録 前編

長らくブログから離れていたのだけれど、この半年ほどで色々な出来事が起き、母にも多少の変化が出てきたので、それをまた記録しておこうと思うようになった。 初夏の頃に、実家は古い水道管が破裂して大騒ぎになっていた。ちょうどその頃夫の仕事が忙しく、…

ここひと月ほどの経過

しばらくこの記録を書かなかったのは、母の調子がこのところずっと「ほどほど」に保たれているから。自転車も再び乗れるようになっているようだし、近所付き合いも良好らしい。 認知症によくある「抑うつ的精神状態」が母にはまるでなく(この春に「少しおか…

猜疑心

先日は母の誕生日だったので、母が欲しがっていたフランク永井のCDをプレゼントする。それに対する感謝のメールは3通も届いたけれど、内容は比較的まともだった。叔父の葬儀だったり、なんやかんやでバタバタしていたのが刺激になったんだろうか? 私は母…

叔父の葬儀

一昨日は夫が夜勤明けだったので、昼過ぎに起きてから携帯を見ると父親からの着信が。「いよいよ母が何かやらかしたか?」と思い慌ててかけ直すと母が出る。「兄ちゃん(私の叔父)が危篤なんよ。それでもう私もお父さんも大阪に来てて今病院におるから、悪…

経過

このところ、母はまともかと思えば完全に気狂いという状態を行ったり来たりしている。友人と出かけたりすると機嫌は良いのだけれど、外出先からの電話は特にループがひどくなる。これも意識を集中するのが難しくなっているからかもしれない。 母がこの状態に…

退行

昨日はもう一通メールが届いていて、それに気が付いたのは私が就寝する直前だった。ふと携帯電話をみると着信があるので開けてみると、母からこんなメールが届いていた。 「ごめん、もう遅いから寝るわ!」 時間帯を見るとPCに送られてきたメールとほぼ同時…

父の思惑

いつものように電話すると、電話の向うでなにやらどたばたとした雰囲気。「お父さんが急に思いたって、今からTおばちゃんの所に行ってくるわ。日帰りで明日には帰るから。」 Tおばちゃんは私が生まれる前から隣に住んでいたご近所さんで、最初の頃は同じ年…

コンプレックス

母が「私ってかわいそう」とすっかり悲劇のヒロイン気分で電話口の向こうでオヨヨと泣き崩れた翌日、私はまた母に電話する。それが日課だから。 母の声はすっきりとしていた。この日は比較的まともだったようで、「1分前の話を延々とループする」という特有…

父とケンカ

母がおかしくなってから気づいた事なのだけれど、事実とは異なる話を否定せずにそのままやんわりと聞き流す・・・というのはものすごく疲れる。認知症の介護者に向けて、しばしば「認知症の方の話は否定せずに、嫌な顔をせず何度でも聞いてあげましょう」と…

異変

私と母の電話の内容は次第に「母が一方的に話し続ける」というものになっていった。しかも話に脈絡がないので聞いている方は次第に疲れてくる。 やんわりと「話が飛ぶね」と伝えると、昔から私の話は頭の回転が速い人しかついてこられへんかったんよ!とポジ…

始まりは

3月の初め頃に祖母が亡くなった。葬儀に出席するために実家へ帰省し、その時に一年ぶりくらいに母親と顔を合わせた。 母とは電話で毎日話をしていたし、その時もこれといっておかしなところは見当たらなかったと思う。ただ、一週間ほど前に電話の最中に言葉…